メモリに関するあれこれ

メモリーの搭載量がシステムのパフォーマンスに大きな影響を与えるのはなぜ。

現在のOSはハードディスクの一部を仮想メモリとして使用しています。メモリーの空き容量が不足したとき、メモリー内のデータをハードディスク(ページファイル)に一時退避し、必要に応じてハードディスクからメモリーにデータを戻します。メモリーが少ないとページファイルとメモリの交換作業が頻繁におこり(スワップする)、ハードディスクはデータの読み書きが遅いためCPUの処理が滞ってしまい、結果としてパフォーマンスがおちることになります。

■数値の読み方
SDR SDRAM
PC133 SDRAM CL2
133はベースクロック、転送レートを表している。133MHzの意。
133MHzのクロック周波数で動作する SDRAM の仕様を定めた規格。PC66なら66MHz、PC100なら100MHz、PC133なら133MHzのベースクロックに対応している。
DDR SDRAM PC 2100 DDR SDRAM CL2.5(作動クロック133MHz)2100はDDRメモリーモジュールの規格でメモリーバスのデータ転送速度を表す。約2100MB/秒(約2.1GB/秒)。
PC2100は、DDR266とも呼ばれ、DDR266はメモリチップの規格のこと。デュアルチャンネルで作動させると、そのデータ転送速度は2.1GB×2=4.2B/秒となる。
PC 2700 DDR SDRAM(作動クロック166MHz)

2700はDDRメモリーモジュールので規格でメモリーバスのデータ転送速度を表す。約2700MB/秒(約2.7GB/秒)。
PC2700は、DDR333とも呼ばれ、DDR333はメモリチップの規格のこと。デュアルチャンネルで作動させると、そのデータ転送速度は2.7GB×2=5.4GB/秒となる。
PC 3200 DDR SDRAM(作動クロック200MHz)

3200はDDRメモリーモジュールのでメモリーバスのデータ転送速度を表す。約3200MB/秒(約3.2GB/秒)。
PC3200は、DDR400とも呼ばれ、DDR400はメモリチップの規格のこと。デュアルチャンネルで作動させると、そのデータ転送速度は3.2GB×2=6.4GB/秒となる。
DDR2
(Double Data Rate 2)
DDR SDRAMを高速化したSDRAMの規格。より高性能で消費電力が少ない。DDRとの互換性はない。2004年に400MHz動作の「DDR2-400」および533MHz動作の「DDR2-533」が初めて製品化された。
DDR3 DDR2 SDRAMの2倍のデータ転送速度を得られるとされ、作動電圧がDDR2 SDRAMの1.8Vからさらに1.5Vと低下。
DDR4 DDR3と比較して20%低い電圧の1.2Vで動作
DDR3の240ピンから288ピンに増え、ピン間の幅が縮まっている
RDRAM PC 800 RDRAM
800はメモリーバスの転送速度を表す。800MHz。
800MHz×16ビット×2チャンネル=3.3GB/秒

モジュール規格 メモリ規格 チップ種別 帯域幅 作動クロック
PC66 - SDR SDRAM 0.53 GB/s/64Bit幅 66MHz×1
PC100 - SDR SDRAM 0.80 GB/s/64Bit幅 100MHz×1
PC133 - SDR SDRAM 1.06 GB/s/64Bit幅 133MHz×1

モジュール規格 メモリ(チップ)規格 帯域幅 作動クロック
RIMM1600 PC800 1.6 GB/s/16Bit幅 400MHz×2
RIMM2000 PC1066 2.13 GB/s/16Bit幅 533MHz×2
RIMM2400 PC1066 4.26 GB/s/32Bit幅 533MHz×2

- DDR III DDR II DDR I
バスクロック 400/533/667MHz 200/266/333/400 100/133/166/200
伝送レートMbps 800/1066/1333 400/533/667/800 200/266/333/400
プリフェッチ 8 ビット 4ビット 2ビット
バースト長 4/8 4/8 2/4/8
電源電圧 1.5V 1.8V 2.5V
パッケージ FBGA FBGA TSOP

モジュール規格 メモリ(チップ)規格 帯域幅 メモリクロック
PC1600/2.5-2.6v DDR-200 1.6GB/s/64Bit幅↑ 100MHz x2
PC2100 DDR-266 2.1GB/s(2.133) 133MHz x2
PC2700 DDR-333 2.7GB/s(2.667) 166MHz x2
PC3200 DDR-400 3.2GB/s 200MHz x2
PC2 3200/1.8v DDR II-400 3.2GB/s 100MHz x4
PC2 4200 DDR II-533 4.3GB/s(4.267) 133MHz x4
PC2 5300 DDR II-667 5.3GB/s(5.333) 166MHz x4
PC2 6400 DDR II-800 6.4GB/s 200MHz x4
PC3-6400/1.5v DDR3-800 6.4GB/s 100MHz x8
PC3-8500 DDR3-1066 8.53GB/s 133MHz x8
PC3-10600 DDR3-1333 10.67GB/s 166MHz x8
PC3-12800 DDR3-1600 12.80GB/s 200MHz x8
PC3-14400 DDR3-1800 14.40GB/s 225MHz x8
PC3-14900 DDR3-1866 14.90GB/s 233MHz x8
PC3-16000 DDR3-2000 16.00GB/s 250MHz x8
PC3-17000 DDR3-2133 17.06GB/s 266MHz x8
PC3-19200 DDR3-2400 19.20GB/s 300MHz x8
PC3-21333 DDR3-2666 21.33GB/s 333MHz x8
PC3-22400 DDR3-2800 22.4GB/s 350MHz x8
PC3-23464 DDR3-2933 23.5GB/s 366MHz x8
PC3-24000 DDR3-3000 24.0GB/s 375MHz x8
PC4-17000 DDR4-2133 17.0GB/s 133MHz x16
PC4-19200 DDR4-2400 19.2GB/s 150MHz x16
PC4-21333 DDR4-2666 21.3GB/s 166MHz x16
PC4-25600 DDR4-3200 25.6GB/s 200MHz x16
PC4-34100 DDR4-4266 34.1GB/s 266MHz x16
DDR-266A : PC2100でCASレイテンシが2.0のDDR-SDRAMのこと
DDR-266B : PC2100でCASレイテンシが2.5のDDR SDRAMのこと

■CAS latency(CASレイテンシ、CL3-4-3-9の場合)
格子状に並ぶ記録部分にアクセスするために行と列を指定します。行アドレスを伝える信号をRAS、列アドレスを伝える信号をCASと言います。それに費やす時間がレイテンシ。

CL
CAS Latency
tRCD
RAS to Delay Time
tRP
RAS Precharge Time
tRC
RAS Cycle Time
3 4 4 9
CASを出力しデータを記録した場所に入出力できるようになるクロック数 RASを出力してからCASを出力するまでの遅延時間 1行分のデータを記録した場所かをメモリに書き戻すのに必要な時間 RASの出力から次のRASの出力までの間隔

■CASレーテンシとは何ですか?(エルピーダメモリのFAQより)
CASレーテンシとはカラム(列)アドレスを与えてからデータが読み出せるようになるまでの時間がクロックいくつ分になるかを表したものです。CL=2なら2クロック後に、CL=3なら3クロック後にデータが出力されます。
■SPDとは何ですか?(エルピーダメモリのFAQより)
Serial Presence Detectの略で、SPDもしくはシリアルPDと呼ばれています。実態はシリアル(1ビットI/Oの)EEPROMであり、DRAMの種類や容量、アクセススピードなどメモリモジュールの仕様情報が格納されています。PC側で、このSPDを読み込むことにより、そのモジュールに合わせた適切なタイミングを自動的に設定することが可能となります。
■ECCとは何ですか?(エルピーダメモリのFAQより)
Error Correction Codeの略で、メモリ内のデータエラー発生の有無をチェックすると同時にエラーを補正する機能です。
具体的には、データを受け取った側で、そのデータの中に、転送途中に発生した誤りがあることを検出し、かつ、元の正しいデータに訂正できるように一定の規則に基づいた冗長ビットを含ませた送信データをいいます。
■RegisteredモジュールとUnbufferedモジュールの違いを教えてください。
Registeredモジュールは、メモリモジュール上のレジスタを介してデータの転送を行うメモリモジュールです。
アドレス、コマンド信号をいったんレジスタに格納しPLLに同期して一斉に出力するため、モジュールに搭載する単体が増加しても、信号を安定して伝送することができます。このためRegisteredモジュールは大容量・高信頼性が必要なサーバ/ワークステーションに最適です。
これに対して、Unbufferedモジュールは上記のようなレジスタを持たない構成で、主にコンシューマ用途のPCで利用されています。(エルピーダメモリのFAQより)

■SDRAMメモリモジュールの製造コストを下げる方法として使われる4層基板
メモリモジュールは、信号線を通す基板と電源を通す基板を積み重ねて作られている。メモリモジュールは,規格化団体の「JEDECジェデック」(Joint Electron Device En gineering Council)が6層構造の基板を前提とした設計を示している。 独自に設計し直し基板を4層した製品も存在する。4層にするには配線の間隔を詰めるなどの工夫を行なうわけですが,それだけ各信号線間のノイズ干渉が増えることになります。
■NVIDIA、オーバークロック性能を提供するメモリ新規格「EPP」を発表
EPPは、現在、メモリモジュール上に実装されている「SPD(Serial Presence Detect)」の拡張規格。SPDチップには、クロック周波数や信号タイミングなど、動作に必要な基本的な情報が格納され、EPPでは、さらにコマンドレートやメモリ電圧など、SPDでは省略されている仕様情報も規定。これにより初心者でも簡単にオーバークロックが行えるようになるとされています。EPPメモリを利用するにはに対応するBIOSが必要。NVIDIAのチップセット「nForce 590 SLI 」を搭載するマザーボードはEPPに対応。
■XMP(Extreme Memory Profile):Intelが提唱しているメモリの拡張規格。JEDECで採用されているSPDを拡張したもので、DDR3-1600のようなJEDEC仕様が存在しないメモリでも、JEDEC標準規格のメモリと同じように自動認識できるようになっている。Intelの「エクストリーム」シリーズのマザーボードで対応するという。
■FB-DIMM
メモリモジュール上のDDR2メモリとチップセットの間に、データの受け渡しを行なう役割を持つAMB(Advanced Memory Buffer)と呼ばれるチップを搭載し、メモリに読み書きされるデータをAMBを通して順番にメモリやチップセットに渡さす仕組み。通信が1対1で行なわれるため、高クロックでの通信が行なえる。(Ascii24・Akiba2GO-06/6/19
MacProは、2枚のメモリライザカードに8つのFB-DIMMスロット(1枚のカードに4つのスロット)。最大16GBのメインメモリをサポート。 独立した4つのメモリチャネルで最大256ビット幅。大型のヒートシンクが必須。
■デュアル・チャネル (インターリーブ) モード
デュアル・チャネル・モード は、両方の DIMM チャネルにインストールされたメモリーの容量が均等な場合に有効になります。 テクノロジーとデバイスの幅は、1 つのチャネルとその他が変化させることも可能ですが、各チャネルにインストールされたメモリーの容量が均等である必要がありますのでご注意ください。 動作速度の異なる DIMM をチャネル間で使用すると、メモリーの使用速度が遅くなってしまいます。

デュアル・チャネル・モードを有効にするためのルール
デュアル・チャネル・モードを構成するには、以下の条件に合致する必要があります:
各チャネルのDIMM設定が一致すること
同じ容量であること (128MB、256MB、512MB など)
メモリーチャネル A と B の両方が一致すること
メモリースロットを対称使用すること (Slot 0 または Slot 1)
同一ブランドである事、同じメモリータイミングであること、同じ DDR スピードであること


■CPUと対応するメモリー
CPUのデータ転送帯域とメモリーのデータ転送帯域を同等にする必要があります。
※データ転送帯域:1秒間に転送できるデータ量。
(例)
・Pentium4/3.06GHz/FSB533のデータ転送帯域は3.2GB/秒
DDR333(2.7GB/秒×2=データ転送帯域は5.4GB/秒)をデュアルチャンネルで作動。
・Pentium4 3.06GHz FSB533のデータ転送帯域は3.2GB/秒
DDR400(データ転送帯域は3.2GB/秒)をシングルチャンネルで作動。
・Pentium4 3.06GHz FSB533のデータ転送帯域は3.2GB/秒
DDR266 (2.1GB/秒×2=データ転送帯域は4.2GB/秒)をデュアルチャンネルで作動。
・Pentium4 2.4C〜3.2 GHz FSB800のデータ転送帯域は6.4GB/秒
DDR400 (3.2GB/秒×2=データ転送帯域は6.4GB/秒)をデュアルチャンネルで作動。
【参考サイト】
3.2Gbpsを狙う次々世代メモリ「DDR4」
PC-Watch 07/08
エルピーダ、会社更生法の適用申請へ 2012/2/27
エルピーダ、台湾PSCとDRAM生産合弁会社を設立〜PC用DRAM分野に本格参入。
PC-Watch-06/12/07
きょうは「nForce 590 SLI」でうわさの“EPP”を試してみた (1/4)
ITmedia-06/05/29
メモリ増設前の基礎知識
2. メモリにまつわるスペックの読み方
※JEDEC準拠(ジェディック)
Joint Electron Device Engineering Council 米国の電子デバイスに関する標準化団体。JEDEC規格準拠は信頼の証とされています。
※CL2とかCL3はメモリーアクセスの速度を表す。アドレスを特定するCAS信号が出てから、データが有効になるまでのタイミング。(キャスレイテンシ)
CAS latency(CASレイテンシ)とは?
CL=2、CL=2.5、CL=3、などと表記されます。
データ行の読み書きが行われるまでの待ち時間(クロック数)をあらわしています。
数字の小さいほうが速く動作しますが、体感できるほどの速度の差はないとされています。
DDR SDRAMがSDRAMと違って2.5と半端な値になるのは、入力されたクロックの2倍の周波数に同期して データを転送するようになっていて、CASレイテンシは0.5クロック単位で計測されるためです。
SPDチップ
モジュール情報(動作クロック、メーカー名、CL値などの情報)が入ったチップがSPDチップです。基板上に1個だけ右端か左端に存在します。無い場合は空きパターンがあるはずです。
※DDR SDRAMとは、ダブルデータレート(DDR)モードという高速なデータ転送機能を持ったSDRAMで通常の倍の転送速度が実現される。
■2007の売上げ順位
1位、Hynix
2位、Inotera
3位、Elpida
4位、Samsung
5位、Micron
6位、Powerchip
7位、Qimonda
8位、ProMOS
9位、Nanya

■2006/11の売上げ順位
1位、Samsung
2位、Qimonda(Infineon)
3位、Hynix
4位、Micron
5位、Elpida

■2005/08の売上げ順位
1位、Samsung
2位、Hynix
3位、Micron
4位、Infineon

※Corsair Memoryは、アメリカのメモリーメーカー。
※Elpidaメモリーは、NEC、日立、三菱電機の3社のメモリ部門が合併してできた国内唯一のDRAM専業メーカー。
(もうありません)
※Inotera社は、Qimonda社と台湾Nanya Technology社のジョイントベンチャーとして2003年に設立されたDRAMメーカー。
■2005年頃のDRAMメーカー
Micron/アメリカ
Quimonda
Infineon/ドイツ
ELPIDA/日本
Hynix/韓国
SAMSUNG/韓国

NANYA (elixir)/台湾
Mosel Vitelic/台湾
WinBond/台湾
KINGMAX (KTI)/台湾
Powerchip (PSC)/台湾

力晶半導体(パワーチップセミコンダクター=PSC)
PSCは1994年、パソコン周辺機器の力捷電脳(ユーマックス)、三菱電機、兼松の主要3社の出資により発足した。
■2005年頃の
主なモジュールーカー
Crucial/アメリカ
Corsair/アメリカ
Kingston/アメリカ
Viking/アメリカ
OCZ/アメリカ
ATP/アメリカ
MA LABS/アメリカ
Mushkin/アメリカ
ADTEC/日本
アイオーデータ/日本
ハギワラシスコム/日本
Buffalo (メルコ)/日本
センチュリーマイクロ/日本
SanMax/日本
Apacer/台湾
A-DATA (V-Data)
TwinMOS/M.tec
Transcend
Veritech (VM)
elixir(NANYA)
SEITEC (PanRAM)
PLUSS (PlusMOS)
PQI
SyncMAX
GL2000
A Force (RamBo)
疑惑深まる、メモリメーカーのDRAM価格操作。John G Spooner(CNET News.com)2004/02/27
ハイニックス、1億8500万ドルの罰金支払いへ--DRAMの不正価格操作で
Dawn Kawamoto(CNET News.com)2005/04/22
915PL/910GL---2GB
915G/P/GV/GL---4GB
925X/XE---4GB
945G/P---4GB
955X/975X---8GB
Q965/G965/P965---8GB
G31/P31---4GB
G35---8GB
Q35/Q33/G33/P35---8GB
X38---8GB

FB-DIMM
写真はI-O DATA製MacPro用、 DDR2 ECC FB-DIMM (Fully Buffered DIMM 667MHz)。
MacPOWER誌のベンチマークテストによると、Power MacG5は、メモリを1GB搭載した場合と、2GB搭載した場合では、Photo Shopのアクションの結果が2GB搭載した場合に40〜50%向上するとされています。また、Photo Shopに関しては、メモリ4GB搭載をピークに8GB搭載すると、わずかに処理が遅くなるとされていますが、ファイルを開くテストでは、1GB搭載と8GB搭載を比較すると、8GB搭載した場合50パーセント以上時間が短縮されたとされています。
当ショップの、Power Mac G5シングル 1.6GHzに、標準で搭載されていたまはPC2700 / 128Mb×2枚。PC3200 / 512MB×2枚を増設しても、問題なく作動しています。 Apple純正PC2700 / 128MbメモリーはHynixチップ・純正基盤でした。


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