動物園のはなし

 2018年7月1日時点で、日本動物園水族館協会(JAZA)の正会員数は、動物園91、水族館60、計151だそうです。この他、準会員やJAZAに加盟していないところもあるので、日本にはかなり多くの動物園・水族館があることになります。(JAZA会長の福田豊氏の論説によるとこの倍ぐらい!世界的にみても非常に多いとの事) 動物園に関する法律として動物愛護管理法などがありますが、動物園は法的には博物館の一種とされています。今の動物園には「種の保存・自然保護」「環境教育」「レクリエーション」「調査研究」など大切な役割があるのですから、博館法ではなく、ちゃんとした動物園水族館法のような法的整備をすべきではないでしょうか。生き物はモノではないのですから。
  1. 動物園の歴史
  2. たくさんあるよ日本の動物園・植物園
  3. 動物園リストとマップ

 日本で最初の動物園は1882年(明治15年)に開園した上野動物園(正式名称は「東京都恩賜上野動物園」・・恩賜とあるので天皇から賜ったから:宮内庁の動物園を東京市に下賜(1924年)されたから)です。(もっとも、江戸時代、1852(嘉永5)年に開園した「浅草花屋敷」では、ウサギ・トラ・クマなどを飼育し、ヤマガラに芸をさせて見世物にしていたようです。江戸時代には、孔雀茶屋とか花鳥茶屋と呼ばれる施設があって、ラクダ・ロバ・クジャクなどの外国産の動物を仕入れて見学する文化があったそうです。)
 上野動物園を作るきっかけとなったのは、1862年の遣欧使節団がJardin des Plantes(パリ)、ロンドン動物園など見学したからと言われています。その使節団の随行者、福沢諭吉が、それまで「禽獣園(きんじゅうえん)」と呼ばれていたその施設を「動物園」と訳したそうです(「西洋事情・初編」)。
 湯島聖堂での博覧会「文部省博物館」明治5年(1872)で、天産物展示としてヒグマなどが庭に繋(つな)がれていた動物たちは、「山下町博物館」(日比谷山下町:帝国ホテル付近)に引き次がれ、その後、明治15年(1882)に上野公園内に博物館が移転開設(現在の東京国立博物館)されると、その天産部付属施設として動物園が作られました。これが、現在の上野動物園の前身です。動物園が博物館法で規定されているのは、こう言った経緯があるからかも知れませんね。
 上野動物園の後は、京都市動物園(1903(明治36)年)、天王寺動物園(大阪:1915(大正4)年)が開園されました。ものの本 によると、こうした公立の動物園の他、阪神・阪急などの電鉄会社が開設した遊園地型動物園が日本の動物園の歴史で特徴的だという事です。因みに世界で初めてサファリ形式を採用したのは多摩動物公園でのライオンバス(1963年)だそうです。

動物園ができるまで
近代以降の動物園 開園年


    〇こんな本を参考にしました。:

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    日本の動物園・水族館をリストアップしました。下の都道府県を選択するとリストとその下に地図がでます。リストおよび地図の動物園マークをクリックすると詳細が表示されます。

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