帰国したSRX400
ネパールのカトマンズでバイクでの旅を終え、帰国することに決めた。理由はいろいろだが、結局、旅行するこに疲れたのだと思う。同じ町に何泊もして、食事も日本レストランばかりに行ってしまう。だらだらして動きたくない。別にそれでいいのだが、走るのが目的だ。そう世界中の町から町を走り回る旅。バイクで行く世界一周の旅が目的だ。しかし、すでに走る意味を失ったのかもしれない。走る意味ってなんだったのだろう。それすらも分からなくなっている。
予定では南下して、インドのチェンナイから、オーストラリアのパースにバイクを船で送り、オーストラリアを一周して旅を終える予定だった。しかし日本を出てから既に2年半が過ぎていた。コロンビアでバイクを受け取るために失った27日とその金。ペルーで事故で失った6ヶ月とその金。ポルトガルでバイクを受け取るために失った2ヶ月とその金。2年半の内、走れなかった期間は9ヶ月もあったわけだ。大陸から大陸への3度のバイクの運送、通関、受け取りがあまりに過酷だったため、インドからオーストラリアの移動はもう心が拒否しているのかもしれない。精神的にも肉体的にも既に終焉を迎えていたのだろう。

混沌としたアジア・アフリカを旅するバックパッカーの旅の目的はなんなのだろう。現実から逃避、未知の世界の探求。

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